五十子(らいこ)クリニック
世田谷区 経堂 内科 循環器 内分泌代謝(甲状腺・糖尿病)皮膚科

 
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糖尿病腎症について

1.糖尿病腎症
糖尿病腎症とは糖尿病による合併症の一つで、腎臓の機能が低下することを意味します。
特に糖尿病に罹患して10年程経過すると、腎症が顕在化することが多いのですが、最近の研究によるとかなり遺伝的な背景が強く影響することがわかってきました。
つまり、血糖や血圧のコントロールがかなり良い人でも腎症が進行する人もいれば、コントロール不良の方でもあまり腎症の進行がない人もいるのです。ただし、ほとんどの場合は血糖のコントロールと血圧、脂質(コレステロールや中性脂肪)のコントロールをすればかなり腎症の進行を食い止めることができるようになってきたことも周知の事実です。
それでは、具体的な症状、診断方法、また対処及び治療方法について詳しく説明していきます。

症状
尿タンパク、尿中微量アルブミン、高血圧、むくみ、尿毒症(体のだるさ、微熱、嘔気、食欲低下、不眠、頭痛、痙攣、昏睡、心不全、出血傾向)

診断方法
採血、採尿により診断します。血中尿素窒素や血中クレアチニン、尿中蛋白、尿中微量アルブミン、他電解質などを測定して病期を決定します。

病態
腎臓はネフロンと呼ばれる構造物が約500万個集まってできています。このネフロンの中心となるのが糸球体と呼ばれ、名前の通り、糸が球のように集まってできています。この糸のように見えるのが(もちろん顕微鏡的に)、実際には血管なのです。心臓から駆出された血液がこの細い血管に辿りつき、体に必要な物質は再吸収して、不必要な物質は濾過させて尿を作っているわけです。ここで問題となるのは、血糖や血圧が高いとこの糸球体の血管の動脈硬化が進行し、必要なものまで濾過させてしまう状態になり蛋白質やアルブミンという物質まで尿中に出してしまうのです。さらにこれらが濾過されることにより相乗的に血管はさらに脆くなり、腎臓の機能は悪化の一途を辿ります。これが糖尿病腎症の病態です。尿蛋白や尿中アルブミンなどが出現する以前は、どんなに血圧が高くても糸球体に加わる圧力は一定になるように、糸球体に入る血管と糸球体から出る血管を収縮、拡張して調節します。しかし、一度腎臓の機能が落ちてくると、全身血圧が直接、糸球体に加わるようになるため、血圧の影響がますます強くなってくるのです。

対処、治療方法
まず糖尿病のコントロールが最優先です。様々な血糖を改善する薬が存在しますが、糖尿病を専門に診る医師により調節してもらう必要があります。ある程度腎臓の機能が低下してくると、使用しにくい薬剤も出てきます。
それから、前述した通り、糖尿病がある場合、血圧のコントロールは通常の高血圧症の人以上にコントロールする必要があります。具体的には、腎臓機能が低下している場合には、自宅血圧で120/70、診察時血圧にて125/75以下でなければいけません。腎臓を保護する血圧の薬を処方してもらうことがとても重要です。
最後に脂質の異常も動脈硬化を相乗的に悪化させるので、症状がなくてもきちんと目標数値(LDLコレステロールなら120未満、中性脂肪なら150未満)になるように調節することが大事です。
もちろん、体重がオーバー気味の場合、体重を落とすこともとても大事なことです。食事の内容も腎臓の病期により、蛋白制限や塩分制限などがありますので、前記の治療と共に並行してやっていくことが重要です。

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