| 1.甲状腺が腫れているのでは?と検診や人間ドックで指摘された場合 |
甲状腺がどのように腫れているかを触診します。全体が腫れているのか?それともどこかがぼこっと腫れているのか?硬いのか柔らかいのか?可動性が良いのか悪いのか?などを触診で調べます。触診に熟練した医師が診察すると、ほとんどの状態を把握できます。
実際には甲状腺エコー(超音波検査)にて甲状腺内部の異常の有無を評価します。お水がたまっている場合もありますし、良性の結節を認めることもあり、また悪性を疑わせる腫瘤を発見することもあります。針を刺して精査する場合もありますが、まずはその必要があるかをエコーにて判定します。
次に採血をします。びまん性に(全体に、という意味です。)甲状腺が腫れている場合は、特に橋本病やバセドウ病の可能性がありますので、甲状腺ホルモンの異常がないかや、自己抗体の有無を評価します。
よく採血だけ検査をして甲状腺は正常ですよ、と言われて何年か後に当クリニックや私が非常勤で勤務する表参道の甲状腺専門病院の伊藤病院に来院される方をよく経験しますが、ほとんどが甲状腺ホルモンしか評価していません。
自己抗体の評価をしなければ多くの橋本病は見過ごされてしまうのです。(多くの橋本病の方はホルモンが正常ですから!)
それぞれの疾患でその後のフォローアップは異なりますが、橋本病と診断された場合は、もしその際、甲状腺ホルモンが正常でも半年毎の採血と一年毎のエコー(超音波検査)はとても重要です。これについては後ほど詳しくご説明します。
また、バセドウ病と診断されホルモンが異常である場合は治療が必要です。内服治療、アイソトープ治療、手術治療の3つがあります。それぞれ良い点、悪い点がありますので、当クリニックや私が非常勤で勤務する表参道の甲状腺専門病院 伊藤病院(私は月曜日 午後新患外来 ホームページ上では記載ありませんがお電話にてご確認できます。)へご来院してご相談下さい。 |
| 2.TSHというホルモンが軽度正常値よりも高い、あるいは低いと指摘された場合 |
TSHというホルモンは頭の下垂体というところから分泌されています。このホルモンにより甲状腺から作られるホルモンの量を調節しています。下垂体腫瘍や視床下部腫瘍を除けば、一般的に甲状腺ホルモンが何らかの原因により高い時(あるいは高かった時)にTSHは低下します。また反対に甲状腺ホルモンが低い時(あるいは低かった時)にTSHは上昇します。つまり、TSHが高かったり、低かったりしたということは、何らかの変化が甲状腺で生じた(あるいは生じている)可能性が高いのです。このように指摘された場合もフォローアップの採血をすることがとても重要ですし、甲状腺内部の構造上の変化があるかを調べる為にエコーの検査も大事です。採血だけではなく、エコーもできるクリニックにて診察を受けることをお勧めします。
多くの場合は一時的に変化しているだけなので、心配ないことが多いですが、病気の初期を示唆することもありますので、何も症状がなくても一度は甲状腺を専門にみるクリニックにて検査して下さい。 |
| 3.近くのクリニックで風邪と診断されて薬を飲んだがなかなか首の痛みが変わらない、あるいは熱もなかなか下がらない場合 |
甲状腺炎の可能性があります。甲状腺の触診をすればほぼ診断がつきます。もちろん超音波検査(エコー)にて甲状腺の破壊があるか否かを評価しますが、ほとんど問診と診察のみで診断がつく疾患なので、上記のような場合はすぐに当クリニックや表参道の甲状腺専門病院の伊藤病院までご来院下さい。
痛みが移動する、首の前を押すと飛び上がる程痛い、痛み止めを飲むがなかなか熱も痛みも変化ない、などの症状の時は要注意です。亜急性甲状腺炎の場合はしっかり炎症を抑えるお薬(ロキソニンやカロナールなどの非ステロイド性の抗炎症鎮痛薬ではなく)が必要なことが多いのです! |
| 4.家族に甲状腺の病気の人がいるので心配、あるいは家族より甲状腺の病気では?と指摘された場合 |
| 確かにご家族に甲状腺の病気の方がいらっしゃる場合は、甲状腺疾患の頻度は高くなります。少し以前より首まわりが太くなったような気がする、あるいは後ほど述べる症状を認める場合は一度は甲状腺に関する採血とエコーの検査をしましょう。もちろん、家族や親戚に甲状腺の病気の方がいなくても甲状腺の病気を発症することもありますし、また逆に家族は親戚に甲状腺疾患の方がいらしても、甲状腺の病気に必ずなるとは限りませんから過度な心配はしませんように。 |
| 5.以前に橋本病と言われているけれど、どうしたら良いの? |
橋本病は別名、慢性甲状腺炎と言います。慢性的にリンパ球という白血球の一種が甲状腺を刺激し甲状腺に炎症を起こさせる病気です。甲状腺ホルモンが正常な方もいますが、機能低下になることもあります。また長い過程の中で、無痛性甲状腺炎と言って痛みのない甲状腺の炎症を併発することもあります。その際はバセドウ病と同じようにホルモンが高くなってしまうことさえあります。甲状腺ホルモンが高い、というだけでバセドウ病と診断され誤って抗甲状腺薬(メルカゾールやチウラジール)を処方され症状がひどくなってしまう方もいまだに多く診察します。以前に橋本病と言われた方で、動悸がする、汗が多いなどバセドウ病を疑わせる症状があったからと言ってすぐに抗甲状腺薬を服用するのは大変危険です。必ず当クリニックや私が非常勤で勤務する表参道の甲状腺専門病院 伊藤病院(私は月曜日 午後新患外来 ホームページ上では記載ありませんがお電話にてご確認できます。)へご来院してご相談下さい。びっくりするぐらい誤って治療を受けていること多いのです!! |