糖尿病診断及び糖尿病治療

1. 糖尿病診断を行います

まず糖尿病疑い、あるいは境界型と言われている方には、糖負荷試験を受けて頂いて、糖尿病診断を行います。この検査により、診断はもとより、現在の膵臓の機能がどれだけ保たれているかを評価します。

2. 治療を進めます

もし上記試験にて糖尿病と診断、あるいは来院時に既に糖尿病と診断されていた場合は下記の順序で診療を進めていきます。

糖尿病の診断基準

  • 早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上
  • 75g OGTTで2時間値が200mg/dl以上
  • 随時血糖値が200mg/dl以上
  • (上記の条件が再度別の日の検査でも認められた場合) HbA1c値が6.5%以上

3. 糖尿病の型を評価します

まず、どのような糖尿病かを評価しましょう。

皆様は1型糖尿病とか2型糖尿病といった言葉をお聞きになったことがあるかもしれませんが、これは主に膵臓の予備能、つまり解りやすく表現するとすれば、膵臓の機能がどれだけ維持されているかを評価します。

ではなぜ、膵臓の機能が大事なのでしょうか?
人間には血糖をコントロールするホルモンがたくさんありますが、血糖を下げるホルモンはインスリンというホルモンしかありません。そのインスリンというホルモンは膵臓から分泌されるのです。つまり、膵臓の機能というのは、言葉を変えれば、インスリンをどれだけ分泌、生成できているかということが治療上、大変重要なのです。

もしインスリンが大量に分泌されているにも関わらず、血糖が高いのであれば、インスリン抵抗性と言って、インスリンの効き目が悪くなっている状態なので、膵臓を休ませてあげなければいけません。
でももしインスリンがあまり出ていないのであれば、これは膵臓を刺激してインスリンを出させなければいけません。

ということは、現在、糖尿病に関わる本や情報が様々ありますが、治療というのは画一的なものではないのです。 人によって治療は全く違うことをぜひご理解下さい。

4. 合併症の評価を行います

次にすることは、合併症の評価です。神経障害、つまり神経の感覚異常は出ていないか、糖尿病網膜症はないか、腎機能の低下、心機能の低下はないかを評価します。

5. 症状にあった治療をはじめます

食事・栄養指導

まず、食事、栄養指導は最も重要な治療なので、栄養指導を受けて頂きます。

運動指導

運動指導は腎機能、心機能の低下が無い人や軽度の人のみが行えるものですから、上記の合併症の評価が済んでから、医師の方からお話します。

次に毎日自宅にて血圧を測りましょう

血糖の高い人は他の人と比べて低い血圧で維持しないと、動脈硬化が進んでしまいます。
目標は自宅では 120/70です。腎機能の低下が無い人は125/75ですが、厳しめに評価をすることが今後の予後を左右します。血圧が常にこの基準を超えているような場合、すぐに適切な血圧の薬を内服することが重要です。 今年2009年になって、高血圧症のガイドラインが一新され、糖尿病の方はすぐに降圧することの重要性が指摘されています。

糖尿病に対する薬の選択

糖尿病に対する薬の選択は、前述した膵臓の機能がどれだけ残されているかにより、治療が異なります。大きく分けると6種類もあり、合併症の種類や状態により細かく処方を決定するので、糖尿病を専門に診る医師でなければ、適切な治療はできないでしょう。
すぐに血糖を下げることのみを考えるのではなく、長期的な治療を心がけることが最も重要です。 得てして、糖尿病を専門に診ない医師では目先の血糖のコントロールのみに意識がいってしまうことが多いのです。このような治療を受けると、早期に膵臓の機能を落としてしまうことさえあるのですよ。

糖尿病に対して内服加療、あるいはインスリン治療が必要と判断された場合

糖尿病に対して内服加療、あるいはインスリン治療が必要と判断された場合は、最初は2週間毎に受診して下さい。低血糖が起こっていないか、おなかが張ったり、体の変調がないかをチェックすることが大事です。

6. 落ち着いたら、1ヶ月に1回の受診で経過をみましょう

落ち着いたら、1ヶ月に1回の受診で経過をみましょうだんだんと治療にも慣れてきて、単調な生活に戻ってくるので、きちんと血糖のことを意識した生活ができているかを、受診して確認することが大事なのです。

7. 頸動脈のエコー検査をします

次に頸動脈のエコー検査をします。現在の動脈硬化が実際にどれだけあるかを直接測定するものです。動脈の壁の厚みを測定することが現在は容易です。その他、脂肪や組織が混在したプラークの有無も評価します。

ここまで読んできますと、何だか大変だな、とお感じになるかもしれません。
でも医療の進歩によりきちんと治療することさえできたら、通常の方と全く変らない生活を送ることができるようになったのです。難しく考えず、あまり細かく考え過ぎず治療を受けて下さい。あまり神経質になると血糖値も高くなることをお忘れなく!!