昨今の新型コロナウイルス感染症について思うこと

コロナウイルスにより日本を含め世界が震撼している中で1人の医師として想うことを独り言のように書かせて頂きます。様々なご批判があることを承知で書かせて頂きますのでご容赦ください。
新型コロナウイルス感染症は未だ不明なことが多く、感染経路は?どのような方が重症化するのか?BCG接種が効果を持つのか?ACEIは影響するのか?アビガンは効くのか?いつ収束できるか?など様々な疑問が目まぐるしく世界を駆け巡っています。
感染症予防の鉄則は接触しないことなので、世界各地で隔離が進んでいます。日本、とりわけ今はいつ首都封鎖をするのか?いつ封鎖になってしまうのか?と心配している人も多いのではないでしょうか?
そのような中で1人の開業医として、日々来院される患者さんにお伝えしている個人的な意見を書かせて頂きます。
今回のウイルス感染症は新型と言われるように人類が初めて経験する感染症であるため、どのようにしたら良いのか、という答えは誰にもありません。そのような時に大切なことは何か?
1.睡眠をしっかり取る
2.旬の野菜、果物、魚などしっかり摂る
3.適度な運動をする
この3つは健康な身体作りをする上で欠かせない条件です。でも意外とおざなりになってしまうことも多いのではないでしょうか?どれが欠けても健康を維持出来ません。毎回の外来で伝えているので目の前の患者さんには伝わっていると思っていますが、自分の目の前にいない人にも伝えたいことなのです。
日を跨ぐ前に寝る、しっかり寝ることによるメラトニンを介したリンパ球刺激による免疫力の増強は明らかなことですし、旬な食材はミネラル、ビタミンに満ち溢れているため免疫力向上に繋がります。それだけでなく栄養価の高い食材を頂くという感謝の気持ちが人を幸せにします。
適度な運動は血の巡りを改善し、傷ついた部位の修復を早めることにより免疫力が増強されます。
この時の適度な、というのは当然一人一人の運動習慣により強度は異なってきます。先日ジムでトレーニングしている時に横で話す2人の男性の会話がとても興味深かったのでご紹介します。
“運動は免疫を上げるから運動はしたほうがいいに決まってますよね?!僕なんかもう4.5年インフルエンザにかかってないし”
“私は運動って免疫力を下げるって聞いたんですけど、どうなんですかね?”
この両者のどちらも間違ってないのだと思いながら聞いていました。本来は運動は血流改善だけでなく様々なホルモンを介した刺激により免疫力が上がることが分かっていますが、やり過ぎれば疲労が蓄積し逆に免疫力が低下するのです。なので、運動はその方の習慣により、強度を調節しなければいけないのです。
私自身がいつも大切にしているこの睡眠、食、運動だけでなく、今の日本の現状でどうしても伝えたいことがあります。
それは、気持ちの良い生活が出来ているか?ということです。誰もが咳をしたら振り返って怪訝な顔をする、車両を変えるなど、ピリピリし過ぎた雰囲気が蔓延しています。もちろん咳エチケットは大切です。マスクをする、マスクが無ければ腕を使って抑えるなど当たり前にやらなければいけません。それはみんなが当たり前にやっていれば、もっと大らかな気持ちになったほうが良いと思うのです。
感染しちゃうんじゃないか?大丈夫か?などいつも緊張していたら、免疫は落ちると確信しています。
例えば緊張してよく喉がカラカラになることって経験されていると思いますが、いきなり脱水になってカラカラになっている訳はないわけで、緊張することにより血管が収縮し、鼻や喉の粘膜を潤す粘液の分泌が落ちてカラカラになるのですよね。私の持論として神経質で感染を恐れている人ほど感染しやすいと思っています。もっとおおらかにリラックスして気持ちの良くなる音楽を聴いたり、好きな人と出かけたり、マッサージを受けたり、美味しいものを頂いて有難いなあと感謝する気持ちを持つことの方がずーーーっと大事だと思うのです。それこそが最強の免疫力向上に繋がるのだと。
人生にもしかすると二度と経験しない貴重な経験をしているのだとも思います。経済が発展し文明の進化の速度が早まるのみの社会で、これほどまでに立ち止まらされて、生きる意味、大切なことをゆっくり考える時間を持てるのでしょうか?
お亡くなりになられた方も多くいる中で不謹慎な言葉であることは重々知りながら、これほど貴重な経験は無いのだと感謝さえしなければいけないのかもしれません。
それぞれが健康な身体を追い求め、免疫力を向上させ、ワクチンが出来上がる前にそれぞれがウイルスに対する抗体を身につけたら感染拡大は防げるのです。
人事を尽くして天命を待つ、という心の持ち様を私は大切にしたい。
多くの人のお陰で生活できているという感謝の気持ちを持って生きることが出来たらより幸せになり、お互いに優しくなれる世界になると信じて。。。

院長 五十子 大雅

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