1月21日19時からNHK Eテレチョイスにて解説

2023年8月8日、NHKのディレクター中島さんからご連絡を頂いたことが始まりだった。NHKのチョイスという番組で、橋本病を取り扱いたいので、ご協力頂けないか?というお問い合わせと同時に番組の企画書を頂いた。

私よりももっと甲状腺の知識が豊富な先生が多くいらっしゃるのに、なぜ自分なのか?と不思議に思ったが、五十子クリニックのブログや著書の”病室は、教室だった”を読んで、ぜひ先生にお願いしたいと思っているのです、と中島ディレクターからお声掛け頂けたことは、本当に嬉しく、自分が大切にしてきたことが評価された気持ちになれて嬉しかった。

亡き父から、努力に勝る天才なし、と教えられ、もともと能力の低い自分でも努力すればなんとかなる、と信じてやってきたことや、医は仁術なり、と小さい頃から外科医であった父から言葉ではなく態度で教えられて育ってきて、常に正直に患者さんと面と向かって医療をしてきたことが理解して頂けたようで、それが何より幸せだった。

ほんの一瞬、自分がこの番組を引き受けて良いのかと悩んだが、すぐにぜひ私にやらせて下さい、とお応えした。

橋本病に纏わる様々な素朴な疑問や質問を頂き、改めて読み直してみると、またとても勉強になった。多くの論文を読み直し、ひとつひとつ素朴な疑問に対して、論理的でまた誰からも間違っていると指摘されないように説明をすることは新鮮で、またとても貴重な経験になった。

NHKからの依頼で、このような患者さんに出演して欲しいとお願いされ、多くの患者さんの中から、その依頼に合う患者さんを選び、また患者さんに出演の同意を得るのが一苦労と思っていたが、お声かけした患者さんは概ね好意的で、出演を決めて下さった方は顔出しはしなくても良かったのだが、先生の為になるのなら喜んで、と全員顔出しを快く受け入れて下さったことはとても嬉しかった。

医療に従事している際、常に意識していることは、いつでも自分が患者側に座ることがあるのだということだが、お互いに信頼し合える、し合うことが、どのような仕事でも、満足度を高めてくれることを強く感じた。日本語のお互い様、という言葉は本当に意義深い言葉だ。。。

五十子クリニックでの撮影や、患者さん方の撮影、そしてNHKスタジオでの撮影をやって頂き、細かいことを含めれば軽く100回以上は、なぜこのようになるのか?を可能な範囲で現存する論文を根拠に説明するやりとりをしてようやく45分の番組が完成することとなった。

スタジオ入りする前にはメイクさんにお化粧をして頂き、10台くらいのカメラをそれぞれのスタッフが動かしているスタジオに入ったことは、自分にとって夢のような体験であった。スタジオ入りする前にディレクターやNHKアナウンサーと軽く打ち合わせ、メイク、そしてスタジオ入り、司会者との打ち合わせ、撮影しながらの時々のチェックや撮り直し、撮影後のメイクさんによるお化粧落とし、など振り返ってみると、ほんとに大変多くの関係者によって、ひとつの番組が出来上がっていることを目の当たりにした。いやもっと言えば、ひとつの番組が出来上がるまでには大変な時間がかかっていることも。。。

余りにも多くのスタッフがスタジオで働いていらっしゃるので、なんとか撮り直しにならないように、と思ってお話をするようにしたが、最初はうまく口が回らなく聞こえが悪かったり、伝えて欲しいと言われていたことを失念していたり、と何回か撮り直しして頂くことになってしまった。そのこともあってか、本当は一番伝えたかった、心身一如、という言葉をお話しすることが出来なかった。。。医学的なことは基本的にお伝えしたい内容はお伝え出来たと思っているが、医療における心、精神の大切さについてもう少しお話しをしたかったので、またいつの日かこのような機会をテレビで頂けると信じて、医療に邁進したい。

明日日本時間の1月21日日曜日19時から 

NHKEテレにて、チョイス、という番組で甲状腺の橋本病について解説します。

もしお時間ございましたら、ご視聴下さいませ。

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