19年目を迎えて

昨日は父の18回目の命日。

外科医であった父が他界したのは私が30歳の時。

当時京大で創薬の仕事と臨床をやっていましたが、その時の恩師の赤水先生から、勉強はどんな環境でも出来るものだよ、と背中を押され30歳という年齢で父の後を継ぐことを決意しました。

当時はその年齢で幅広い知識が必要な内科医として開業することは、恥ずかしくて同級生には誰にも話すことはできませんでした。

継承した当初は土曜日から月曜日まで東京で診療、その後京都に移動し金曜日まで研究という二足の草鞋でした。保険診療をする為には、週に何時間以上診療しなければいけないという決まりがある為、土曜日、日曜日、月曜日は朝7時から診療していましたが、信頼される存在でないことが大きかったのでしょうが、週3日しか診療しない為なのか来院される患者さんはとても少なく、受付のスタッフは掃除ばかり、私は本を開いて勉強ばかりで、本当にやるせない毎日。。。

人の為になりたいと思って医師になったのに、なれていないなあと思う日ばかりで申し訳ない気持ちと寂しい想いの連続でした。

それから18年が経って、多くのスタッフ、京大時代の赤水先生や金本先生、慈恵医大時代の先輩、同級生、後輩、近隣の先生方、家族のお陰で、充実した仕事をさせて頂けていますが、ただただ感謝の気持ちで一杯です。

おそらく、というより間違いなく、現在は父より多くの患者さんを診察していますが、毎日朝勉強し、色々な悩みや不安を抱えて来院される方に真摯に丁寧に向かい続けた父を心から尊敬すると同時に、父を超えたなとは世にも思えません。

父は43歳で開業し、76歳まで他界するまで33年間仕事をしてきたので、私が33年間患者さんから信頼し続けて頂けて初めて肩を並べることになるのでしょうね。。。長い時間、人から信頼されることはとても尊いことだなあとつくづく感じます。

その時まで元気に、楽しく仕事も出来て、多くの方と接するそんな人生を歩めたら幸せです。

たまに、外科医の父ならどう話すのかな?どのように感じるか?と思うことがありますが、残念ながら一度も夢にも出てくれることはありません。

自分で考えなさい!ということなのかなあ。。。

1人でも多くの方に、気持ち良く生活して頂けるサポートを医師として出来たら幸せですね。

まだまだ発展途上ですが、どうぞこれからもよろしくお願い致します。

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