生物の進化から考えるWithコロナ

約46億年前地球が誕生し、最初の生命が生まれたのは約38億年前とされる。

以後、魚類→両性類→爬虫類→鳥類→哺乳類へと進化を続け、現在に至る。

ダーウィンの進化論に、最も強い生物はその環境環境に順応する力を持ち続けることが出来るもの、とある。まさに医療に従事していると、この進化論に強烈に同感する。コロナウイルスは当然無くなることがないので、その感染症に勝てる肉体を作らなければならない。

人類はこれまでに感染症との戦いの連続であった。ペニシリンの発見により多くの生命が救われるようになったがその陰で多くの命が失われた。インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス、そしてHIVも治療薬を人類は手に入れることが出来たがそれまでには多くの命が犠牲になってきた。

今回世界を震撼させた新型コロナウイルス感染症は、多くの命を奪った。残念ながら有効な薬はあるもののまだ特効薬は存在しない。家族や友人に亡くなられた方がいらしたら、その悲しみは計り知れない。その悲しみはすぐには癒える訳はなく時間がかかるだろうが、生きる者はその悲しみを背負いながら、亡くなられた方の想いを継いで強く生きていかなければならない。

医療人として仕事をしていると、命の最後に立ち会う機会が多い。そのような時に決まって亡くなられたご家族にかける言葉がある。

”とても悲しく、辛いけれど、大切な方の想いを継いでなるべく笑顔で楽しく生きてください。それがお亡くなりになられた大切な方が一番喜ぶことだと思いますよ”、と。先に行ってしまう方が一番望んでいることは、大切な人が幸せでいてくれること以上にないと思う。

私の父も命が短いと分かった時に、旅行先で私たち家族を集めて話した時のことを鮮明に覚えている。兄弟仲良くやって欲しいこと、そして残る母親を大事にして欲しいこと、それだけお願いしたいと、涙を流しながら家族に話をしてくれた。とても心の強い父が私の前で涙を流したのは恐らくこれが最初で最後であった。

本日東京でも自粛解除になり、多くの方の生活に変化が訪れることは間違いないが、まだ仕事の休業が続く方もいらっしゃるだろう。まだまだ大変な想いをされていらっしゃる方がいると思うと晴れやかな気持ちにはなれないが、コロナウイルスと共にあったとしても1人でも多くの方が気持ち良く生活できるサポートを続けたい。

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